インタビューを元に、当社の運営するレンタルドレスサービス「おしゃれコンシャス」を開設した経緯やサービス内容、働き方などについて掲載されています。
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(掲載元: BigLife21 )ドレスシェアリングで
女性にもっと「着飾る」楽しさを
「女性にもっと自由にドレスを選んでもらいたい」。その思いから起業した株式会社ミスコンシャス代表取締役社長小山絵実氏。株式会社ミスコンシャスは、ネットを通じたパーティドレスのレンタルサービス「おしゃれコンシャス」を展開し、今急成長している会社だ。彼女の思い描くシェアリング時代の姿について伺った。
ネットから有名ブランドのドレスをレンタルできる
「ニーズに気づいたのは自分自身の体験からです」と株式会社ミスコンシャスの代表取締役社長小山絵実氏は話し始めてくれた。
株式会社ミスコンシャスはパーティドレスなどをネットを通じてレンタルするサービス「おしゃれコンシャス」を運営している会社だ。2012年の設立から今年で7年目、売上は3億円を超え、レンタルドレス業界では最大手にまで成長しており今、注目を集めている。
「起業のきっかけは、私が『こういうサービスがあったらいいな』と思ったから。女性は結婚式や同窓会など、ドレスを着なければならないことが度々ある。その時、友達と顔を合わせるのにいつも同じドレスというのは恥ずかしい。だから1、2回しか袖を通していないドレスなのに、また新しいドレスを買いたくなる」
20代後半になると、知人・友人の結婚式に立て続けに呼ばれる、という経験をした人も多いはずだ。小山代表もそうだった。しかしながら式に呼ばれるたびに御祝儀と共に新しいドレスを購入していては財布へのダメージが大きい。何とかこの負担を軽くできないものか、と小山代表は考えていた。
「古くから貸衣装というものはありますが、それには『汚い、古臭い、ダサい』というイメージがあり、そこを利用するのには抵抗があった。『それならば、今のトレンドのドレスや有名ブランドのドレスを安価でレンタルできるところがあったら、使いたいという人は多いのではないか』。そう考えてこのサービスを立ち上げました」
こうして小山代表は2012年、名古屋市内にレンタルドレスのショップを構える。
「スタートした時は店舗に30着ほどのドレスを並べて、来店したお客様一人一人を応対しながら営業をしていました。その時にこのサービスのニーズは非常に高く、また都市部だけでなく郊外にも利用したい人が多いことに気づきました」
そこで翌2013年にはネットを利用したサービスを開始、来店できない人でも利用しやすいようにした。
また、常に新しいドレスを仕入れて目新しさをアピールすることも心がけた。
「2ヶ月に1度、新しいドレスを撮影してHPに掲載しました。ドレスはすべて新品。海外の有名ブランドのものも多数揃えています。こういったドレスの価格は1着10数万円になるものもあり、なかなか個人が気軽に買うことはできない。しかし、レンタルすることでそれを自分のもののように身にまとうことができる」
レンタル価格は6泊7日2900円からという安さ。女性の目から、女性が喜ぶサービスを提供している。
ドレスアップで違う自分になれる
「綺麗なドレスを身にまとうことで、その日一日、女性は特別な気持ちになれる。だから私たちは『全ての女性に着飾る喜びを』をミッションにしています」と話す小山代表には「着飾る」ことによるパワーを実感したエピソードがある。
1984年、愛知県蒲郡市に生まれた小山代表は大学在学中に準ミスインターナショナル日本代表に選出された経験を持つ。
「私は、リュックを背負ってジーンズにTシャツで大学に通っているような、ごく普通の大学生だった。それがミスコンに出場したら、周りにはモデルの経験者とかキレイな女性ばかり。そんな中に私は一人何も知らずに立ちすくんでいたのですが、自分のスタイルにあったドレスを着せてもらい、メイクアップアーティストさんにメイクを施してもらうと、それまでとは全く違った自分になれた気がした。鏡の中のドレスアップした自分を見て、心から本当の笑顔が湧いてきた気がしたんです」
その感動を、もっと多くの女性に味わってもらいたい。友達の結婚式などの、そういうちょっとした着飾るシーンをもっと楽しんで、自信を持って参加してほしい。
そんな思いを持つ小山代表は「潜在的な顧客層は幅広い」と考えている。
「例えば子供を連れたお母さんや、10年ぶりに友達と会う奥様も。弊社にはマタニティ用のドレスも揃えてあります。『着て行く物がないから』『何を着て行ったら分からないから』。そんな理由でパーティや結婚式への出席を躊躇っている、そういう方々にこそ使ってもらい、ドレスアップを楽しんで貰いたいのです」
今までの貸衣装とは違う
好評をもって受け入れられている株式会社ミスコンシャスだが、抱える問題点はあるのだろうか。
「やはりレンタルというやり方に対してつきまとうイメージはあります」
貸衣装店は日本全国に数百、結婚式場や写真店などの併設されている小規模なものまで含めれば数千はあるだろう。しかし先述したように、そこに用意されている服のほとんどは型遅れの古めかしいものだ。それでは女性は喜ばない。
「弊社では現在国内外252ブランド、約3400着のドレスを用意しています。また、一度使用したものは必ずクリーニングし、合計3度の検品も行います。常に新品同然の物をお客様に提供できるようにしています」
それに、ショールやバッグなどの小物なども取り揃えています。現在バッグは1200個ほど。こういった小物はドレスアップの必需品なのに、他社では揃えが悪い。こういうところにも目を配っています、と小山代表。
また初めてドレスを着るというお客や、年齢やシチュエーションによってどういうドレスを選べばよいのか、というお客に対しては、スタイリストが相談に応じてくれるサポートサービスも無料で用意している。
「何より、利用していただいた方が満足してくれないと意味がない。ネットでのレンタルになりますから自分のスタイルに合った服かどうか不安に思う人も多いので、HPで自分にピッタリのサイズが選べるように工夫してあります。また商品レビュー欄も充実させています。今はレストランでも映画でも誰かが書いたレビューを見て判断する時代。弊社でも商品にアンケートを添え、記入をお願いしています。現在まで30000件以上ものレビューが集められいて、新規の利用者の参考になっています」
こういったユーザーに寄り添った目線が評価を得ているのが分かるのが会員数の伸びだ。現在6万人を超える会員数は、5年間で約10倍になっている。
「新しいドレスを買うのか、それともクローゼットの中にある何度も着たドレスをまた着ていくのか、もし姉妹がいればそのドレスを借りていくのか。そんな程度しかなかった選択肢にプラスアルファを加えてもらいたい」と話す小山代表。だが、そのプラスアルファが秘める可能性は大きい。
「インスタ映え」が重要な時代だからこそ
結婚式やイベントでドレスを着た際、インスタグラムなどのSNSにその様子を投稿したもしくはタグ付けされた経験があるか、という問いに20代女性は72%以上、全体でも30%以上があると答えたというデータがある。また20代に関しては「SNS写真を意識して同じドレスを着たくはない」という理由でレンタルドレスを選んでる女性は過半数を超える(共に、おしゃれコンシャス利用者への意識調査より)。
「SNSの普及によって、ニーズは変化しています。常に新しい『インスタ映え』するものを人は求めている。しかし自身のポケットマネーから新しいものを買い続けるわけにはいきません。そこでシェアリングが注目されている」
業界のリーディングカンパニーとして、市場を拡大していきたい、今後はもっと「着飾る」シーンを提案するというアクションを起こしていきたい、と小山代表は言う。
「結婚式や同窓会だけでなく、婚活パーティやクルージング、ディナーなど『着飾る』シーンはたくさんあります。そこに、今まで『着て行く物がないから』と諦めていた人を、おしゃれコンシャスを利用することで連れ出すことができる。もっと女性は着飾って楽しむチャンスを持つことができるのです」
実は株式会社ミスコンシャスは社員の9割が女性で、しかもうち8割は育児中だという。女性が育児中でも社会で働くことができる。そのチャンスを小山代表は提供している。
‥‥‥今年1月、成人式の衣装業者が姿をくらまし、予約していた新成人たちが晴れ着を着ることができないという事件があった。成人式などの「晴れ」のイベントを汚されると、その悔いは一生残ることになる。
レンタルを一般的に。そして、多くの女性にドレスアップを楽しんでもらいたい。小山代表のその思いは「パーティにステキなドレスを着て行きたい!思いっきりオシャレしたい」という願いを叶えてくれている。