それを「忌み言葉」と言いますが、聞いたことありますか?
実は、普段使いなれている言葉にもたくさん含まれているんですよ。
「知らずに使っていた!」なんてことも・・・。
今回は、忌み言葉にはどんな言葉があるのか、使いたいときにはどうすればいいのか。
忌み言葉についてのあれこれを、言い換えの文例と一緒にご紹介していきます。
新郎新婦へお祝いの言葉を伝える参考になると嬉しいです。
監修 小山 絵実(コヤマ エミ)
経歴
準ミスインターナショナル日本代表(2004年度)
ミスアース日本代表(2005年度)
女性起業家大賞最優秀賞 受賞(2019年)
日本化粧品検定1級 保有
現在
株式会社ミスコンシャス 代表取締役社長(2012年~)
業界最大級のインターネット専門レンタルドレスショップ「おしゃれコンシャス」を運営しています。
ファッションモデルやアパレルバイヤーの経験もあり、おしゃれコンシャスでは主に商品の仕入れを担当。
TV、新聞をはじめとする100を超えるメディアに出演しています。
長年の経験と培った専門知識をもとに、信頼できるマナー・ファッション・美の情報をお届けします。
CONTENTS
忌み言葉とは
忌み言葉ってそもそも何なのか、知っていますか?
結婚式で、「不幸」や「別れ」を連想させる、縁起が悪いとされる言葉や漢字のことです。
最近では、若い人は気にならない人も多いようですが、結婚式には幅広い年代の方々が出席します。
悪気なく言った言葉でも、気分を害してしまう人もいるかもしれません・・・。
結婚式のスピーチや、お祝いのメッセージなどでは、できるだけ使わないように注意しましょう。
結婚式での忌み言葉と言い換え例
日常生活では、普通に使っていた言葉も、結婚式だと忌み言葉になってしまうことも。
「この言葉も!?」とついびっくりしてしまうほど、日常使いなれている言葉もあります。
結婚式の雰囲気を壊さないためにも、確認しておいてくださいね。
不幸を連想させる言葉
結婚式は、新郎新婦の新しい門出を祝福するお祝いする席。
不幸を連想させる言葉はNGですよね。
例)忙しい 最後 泣く 悲しむ 消える 壊れる 冷める 去る 去年 亡くなる 薄い 四 九 など
夫婦の別れを連想させる言葉
別れ、離婚を連想させる言葉も、結婚式に相応しくないので、もちろんNG。
例)失う 終わる 返す 帰る 切る ほどける 離れる 戻る 分ける 逃げる 飽きる 別れる 破れる など
重ね言葉
重ね言葉とは、同じ言葉が繰り返されたもののことを言います。
「繰り返す」は再婚や出戻りを連想させるので、結婚式ではふさわしくありません。
例)重ね重ね いろいろ くれぐれも たびたび たまたま 次々 日々 ますます もう一度 など
マイナスイメージに受け取られる言葉
普段は褒め言葉ともとれる言葉も、場合によっては悪い印象を与えてしまうことがあります。
例)頑固、気が強い、頼りない、おとなしい、若い、など
忌み言葉の言い換えポイント
忌み言葉、たくさんありすぎて、なにがOKでなにがNGなのか分からなくなってしまいますね・・・。
「考えた文章に忌み言葉が含まれていたとき、どうしたらいいの?」
そんなときの、忌み言葉言い換えのポイントをご紹介します。
違う言い回しに変更しよう
使いたい言葉が忌み言葉だった場合は、違う言い回しに変更することで使えるようになります。
例)ケーキを切る → ケーキにナイフを入れる
この場合の忌み言葉は「切る」です。
「ナイフを入れる」に言い換えることで、文の意味を変えずに使うことができますよ。
ひらがなに置き換えよう
発音は問題ないけど、使われている漢字が忌み言葉の場合もあります。
ご多忙中の「忙」という字は、「亡」の字を使うことから、目に触れるメッセージでは避けられる言葉です。
「ご多用中のところ」と言い換えたり「おいそがしいところ」などひらがなに変えたりすると使えます。
ポジティブな表現を使おう
新郎新婦にとって一生に一度の結婚式、心から祝福する気持ちでポジティブな表現を選びましょう。
なるべく否定的な言葉は使わない方がいいですね。
例)彼は頑固な人で → 彼は意思が強い人で
このように、短所に聞こえる言葉は長所に言い換えるのがおすすめです。
忌み言葉・重ね言葉の言い換え一覧
この言葉を使いたいなと思ったときは、言い換えを上手に使いましょう。
具体的な例をまとめてみました。
忌み言葉の言い換え例
- 飽きる → 満足する
- 忙しい → ご多用
- お返事 → ご一報 ご報告
- 終わる → お開きになる ゴールを迎える
- 帰る → 失礼する 帰省する
- 去年 → 昨年
- 嫌い → 得意ではない 好きではない
- ケーキを切る → ケーキにナイフを入れる
- 壊れる → 形が変わる 役目を全うする
- 最後 → 結ぶ
- 四(し)九(く)→ 四(よん)九(ここのつ)
- 職場を離れる → 家庭に入る
- スタートを切る → スタートラインに立つ
- 絶えない → たえない いっぱい
- 月日が流れる → 月日が経過する
- 泣く → 涙する
- ~になってしまう → ~になり
- 花びらが散る → 花びらが舞う
- 離れる → 新たな道を進む
- 冷える → 温かいうちに
- 分ける → 分担する
重ね言葉の言い換え例
- いろいろ → 多く
- 重ね重ね → あわせて
- くれぐれも → 十分に よく
- 次々 → たくさん
- ますます → 一段と 末永く
- また → 並びに さらに
- 皆々様 → 皆様
- もう一度 → いま一度 改めて
- わざわざ→ ありがたく そのために 特別
マイナス言葉の言い換え
- おちゃらけている → 周りを楽しませる心を持っている
- 頑固 → 意志が強い
- 暗い → 落ち着いている
- 気が弱い → 優しさに溢れている
- 仕切りや → リーダーシップ
- 神経質 → 几帳面
- 頼りない → 控えめ
- 冷たい → クール 冷静
- 若い → きれい かわいらしい
忌み言葉もこれならOK!
結婚式スピーチ・メッセージの
言い換え文例
分かりやすい忌み言葉は、意識していれば使うことはないと思います。
でも、「帰る」や「まだまだ」など普段から使っている言葉は、つい言ってしまうので注意が必要ですね。
実際にスピーチやメッセージの言い換え文例を見ていきましょう。
乾杯の挨拶
(自己紹介、祝福の言葉)
○○君と働くようになって、今年で5年になります。
持ち前の明るさで、入社当初から先輩たちや取引先様にも随分可愛がられているようです。
負けず嫌いで、日ごろ成長してこられる姿を身近で見てまいりました。
○○君が当社にとって重要な存在である事を実感しております。
これから、次々と困難が待ち受けていると思いますが、お二人で力を合わせ、幸せな家庭を築いて下さい。
(はなむけの言葉、乾杯の音頭)
○○君と働くようになって、今年で5年になります。
持ち前の明るさで、入社当初から先輩たちや取引先様にも随分可愛がられているようです。
負けず嫌いで、日ごろ成長してこられる姿を身近で見てまいりました。
○○君が当社にとって重要な存在である事を実感しております。
これから、次々と困難が待ち受けていると思いますが、お二人で力を合わせ、幸せな家庭を築いて下さい。
(はなむけの言葉、乾杯の音頭)
この文章に含まれている忌み言葉は「負けず嫌いで」「次々と」。
これを言い換えてみると・・・
負けず嫌いで → 誰よりも責任感が強く
次々と → たくさんの
友人結婚式スピーチ
○○さん、○○さんご結婚おめでとうございます。
私は普段○○さんのことを○○ちゃんと呼んでいます。
どうも言い慣れない呼び方をしていると、緊張してしまうので、いつものように○○ちゃんとよばせてください。
○○ちゃんとは中学校からの付き合いで、15年ほどになります。
高校からは別々になってしまったけど、変わらず仲良くしてくれました。
いつも私の話を聞いて、いろいろな相談にのってくれていたよね。
○○ちゃんの笑顔に支えられていたよ、いつもありがとう。
地元に帰って来たとき、また一緒にランチに行こうね。
くれぐれもお二人で力をあわせて、温かい家庭を築いていってください。
私は普段○○さんのことを○○ちゃんと呼んでいます。
どうも言い慣れない呼び方をしていると、緊張してしまうので、いつものように○○ちゃんとよばせてください。
○○ちゃんとは中学校からの付き合いで、15年ほどになります。
高校からは別々になってしまったけど、変わらず仲良くしてくれました。
いつも私の話を聞いて、いろいろな相談にのってくれていたよね。
○○ちゃんの笑顔に支えられていたよ、いつもありがとう。
地元に帰って来たとき、また一緒にランチに行こうね。
くれぐれもお二人で力をあわせて、温かい家庭を築いていってください。
この文章に含まれている忌み言葉は「してしまう」「別々」「いろいろな」「帰って」「また」「くれぐれも」。
これを言い換えてみると・・・
してしまう → する
別々 → 違う学校
いろいろな → たくさんの
帰って → 帰省
また → 改めて
くれぐれも → どうか
友達へのスピーチは、特に普段使う言葉を使ってしまいがちなので気を付けましょうね。
謝辞
本日はお忙しいなか私たちの結婚式にお越しくださいまして、誠にありがとうございました。
皆さまから祝福の言葉や激励を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
これから夫婦として新たなスタートを切ります。
まだまだ至らないところはありますが、今後も変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
最後となりますが、皆々さまの今後のご健康とご多幸をお祈りして、私たちのお礼の挨拶とさせて頂きます。
本日は誠にありがとうございました。
皆さまから祝福の言葉や激励を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
これから夫婦として新たなスタートを切ります。
まだまだ至らないところはありますが、今後も変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
最後となりますが、皆々さまの今後のご健康とご多幸をお祈りして、私たちのお礼の挨拶とさせて頂きます。
本日は誠にありがとうございました。
この文章に含まれている忌み言葉は「お忙しい」「スタートを切ります」「まだまだ」「最後」「皆々」。
これを言い換えてみると・・・
お忙しい → ご多用
スタートを切ります → 生活が始まります
まだまだ → まだ
最後 → 結び
皆々 → 皆
新郎新婦へ余興ムービーお祝いメッセージ
結婚おめでとう 大切にしてもらってね 笑顔の絶えない家庭になりますように
この文章に含まれている忌み言葉は「大切」と「絶えない」。
これを言い換えてみると・・・
大切 → たいせつ
絶えない → いっぱいの
ご結婚おめでとうございます。二人でますます明るい家庭を築いてください。末永くお幸せに。
この文章に含まれている忌み言葉は「。」「ますます」。
これを言い換えてみると・・・
「。」 → 「 」(空白)
ますます → 一段と
メッセージの場合は、発音は問題ないけど、漢字が忌み言葉のことがあるので注意が必要です。
「、」や「。」句読点もNG
「、」「。」などの句読点もあまり結婚式にふさわしくないんです。
これは、句読点が終わりや途切れを意味するからです。
ゲストの目に触れる、招待状、プロフィールムービー余興ムービーなど、特に気をつけてくださいね。
ただ、句読点が無いと文章が読みづらくなってしまいます。
そんなときは、「 」(スペース)などを使用して、文章に区切りをつけるといいですよ♪
もし忌み言葉を言ってしまったら?
もし忌み言葉を言ってしまったら、「失礼しました。」と軽く謝罪し話を進めましょう。
誰も気づいていないようであればそのまま話を進めましょう。
あわててしまうと、逆に目立ってしまうので落ち着いて対応しましょうね。
忌み言葉以外のふさわしくない話題
忌み言葉以外にも、結婚式では避けた方がいい話題があります。
自分の自慢話
結婚式は新郎新婦が主役。新郎新婦との関係など、自分自身の話は最低限に留めるのがマナーです。
人の自慢話を聞くことは、楽しいこととは言えないので、話題を取り入れないようにしましょう。
子供の話題
いろいろな理由で子供を授かれない人もいますし、考え方も人それぞれ。何気ない一言で、傷つけたり、プレッシャーを与えたりしまうことも。
デリケートな話題は避けた方が無難です。
下ネタ話
下ネタは、仲の良い友達との飲み会では、盛り上がるかもしれません。しかし、結婚式はフォーマルな場。
いろいろな立場の人がいるので、話さないようにしましょう。
結婚式のスピーチ・挨拶・余興を
成功させるコツ!
仲のいい友達や、会社関係の人の結婚式、スピーチや余興を頼まれるのは嬉しいことですよね。
緊張、不安、楽しみ、いろいろあると思いますが、成功させるちょっとしたコツをご紹介します♪
スピーチのコツはこれ!
手紙形式でスピーチするのがおすすめ
「○○さんに手紙を書いてきたので、この場を借りて読ませていただきます。」と言って手紙を読むとスムーズに話せますよ。ゆっくりと話しましょう
緊張するとどうしても早口になってしまい、噛みやすくなります。心を込めてゆっくり読むことを意識してくださいね。
結婚式でのスピーチのコツをもっと知りたい方はコチラをcheck!
乾杯挨拶のコツはこれ!
挨拶は長くしない
新郎新婦をはじめ、ゲストは皆グラスを片手に立っています。乾杯の挨拶は短く、簡潔に、がベストです。
明るく元気に!
今から披露宴が始まるというタイミングでの挨拶。明るく「乾杯」と声を上げ、披露宴を盛り上げましょう♪
乾杯挨拶のコツをもっと知りたい方はコチラをcheck!
余興のコツはこれ!
一生懸命マジメに
恥ずかしいからと言ってモジモジしていると見た目が悪くなります。パフォーマンス中は恥を忘れて、堂々とやり遂げましょう。
会場全体の心をつかむ楽しい余興を
内輪だけにしか受けないネタはNG。主役の新郎新婦にまつわる余興や、全員で参加できる余興だと楽しいですよね♪
余興でのコツをもっと知りたい方はコチラをcheck!
同じ言葉でも言い換えによって変わってくる忌み言葉。
上手に言い換えて気持ちの良いお祝いの言葉を伝えたいですね♪
でも、気にし過ぎるのは良くありません。
できるかぎり気を付けて、何よりも心からの祝福の気持ちを大切にしましょう。