今あなたは、「結納」という儀式を前に不安に駆られながら下調べをしているのではないでしょうか。
結納のなかでも新婦側の大仕事と言えば【結納返し】です。
結納返しには何を用意したらいいの?
相場はいくら?
婚約記念品は何を選べばいい?
溢れる疑問を解決するために、是非こちらの記事をチェックしてみてくださいね。
結納返しの準備を整え、安心して結納当日を迎えましょう。
監修 小山 絵実(コヤマ エミ)
経歴
準ミスインターナショナル日本代表(2004年度)
ミスアース日本代表(2005年度)
女性起業家大賞最優秀賞 受賞(2019年)
日本化粧品検定1級 保有
現在
株式会社ミスコンシャス 代表取締役社長(2012年~)
業界最大級のインターネット専門レンタルドレスショップ「おしゃれコンシャス」を運営しています。
ファッションモデルやアパレルバイヤーの経験もあり、おしゃれコンシャスでは主に商品の仕入れを担当。
TV、新聞をはじめとする100を超えるメディアに出演しています。
長年の経験と培った専門知識をもとに、信頼できるマナー・ファッション・美の情報をお届けします。
CONTENTS
そもそも結納返しって何?
結納返しとは、結納の際に男性側から贈られた結納金などに対して、女性側からお返しをすることです。お礼の意味を込めて、お金や記念品を贈るのが一般的。
お返しなので相手の結納品より豪華にならないようにするのがマナーです。
結納返しとは、男性側からの贈り物に対する「女性側からのお返し」の総称
結納返しには3つのタイプがあります。
- 結納品:結納品(結納で使う縁起物)に対するお返し
- 結納金(=御袴料):結納金(現金)に対するお返し
- 婚約記念品(スーツなど):婚約記念品(婚約指輪など)に対するお返し
正式な結納返し
正式な結納返しでは【目録】【御袴料(結納金)】【結納品】【婚約記念品】をセットで贈ります。【目録】
結納品の品目を箇条書きにしたもので、納品書のような役割を担っています。
【御袴料(結納金)】
男性側からの結納金のお返しとして、女性側から贈るお金。
「男性の袴を仕立てるためのお金」であったなごりから、このように呼ばれています。
【結納品】
円満、長寿、子宝などの意味を持つ縁起物のことで、婚約のしるしとして両家で取り交わされます。
【婚約記念品】
婚約を記念して互いに贈り合うもので、男性からは婚約指輪、女性からはスーツや腕時計を贈ることが代表的です。
どんなものを用意すれば良いか分からない時は、専門店で結納品セットを購入するのがオススメ。
両家で格式の差が生じてしまうことを防ぐために、両家で購入場所を合わせるのもgoodです。
両家で格式の差が生じてしまうことを防ぐために、両家で購入場所を合わせるのもgoodです。
略式の結納返し
近年では、結納を行っても【御袴料(結納金)】【婚約記念品】の2つの取り交わしだけに留まることも多くなってきました。現金のみで結納返しをする場合や、【婚約記念品】の交換だけで済ませることも増えてきています。
どの程度の格式の結納にするのか、お互いの両親とも話し合った上できちんと決めておくことが大切です。
結納返しの相場は?
結納返しの相場には地域差があり、金額が決まっているわけではありません。男性側から贈られる結納金の金額をもとに、結納返しの金額を決めることが多いようです。
結納返しの相場
【関東】
結納金(御袴料):男性側の結納金の半額程度
結納返し品:結納品と同数程度
【関西】
結納金(御袴料):男性側の結納金の1~2割程度
結納返し品:ほとんど無し
※結納返しをしない、という地域もあります
【関東】
結納金(御袴料):男性側の結納金の半額程度
結納返し品:結納品と同数程度
【関西】
結納金(御袴料):男性側の結納金の1~2割程度
結納返し品:ほとんど無し
※結納返しをしない、という地域もあります
結納返しの金額は地域で異なる!
関東では「両家が同格」とみなしていたのに対し、関西以西では「迎え入れる男性側が格上」とみなす、風習の違いから、金額に差が生じています。自分の地域では一般的なことでも相手の地域ではマナー違反と取られてしまう場合もあるので、両家での認識を擦り合わせておく必要があります。
また、どちらの地域でも結納返しが結納金の5割を超えてしまうと失礼にあたるので注意しましょう。
結納返しがどのくらい必要なのか、結納金がどの程度贈られてくるか分からないと準備のしようがないですよね。
想定以上のお返しをしてしまわないためにも、相手に「結納金はどのくらいの額になりそう?」と聴いておくのがベストです。
想定以上のお返しをしてしまわないためにも、相手に「結納金はどのくらいの額になりそう?」と聴いておくのがベストです。
男性側の結納金相場について知りたい方は、こちらの記事をチェック!
結納金(御袴料)の金額を決める時の考え方
結婚というお祝いの場では、「3、5、7」という割り切れない数字が縁起が良いとされています。そのため、結納返しの金額を決める際にも相手の結納金を基準にしつつ、切り良く30万、50万、70万……という形で決めていくとgood♪
偶数ではありますが、8は「末広がり」というおめでたい意味があるので使用してOK!
「死」や「苦」を連想させる4や9を使うのは避けるようにしましょう。
結納返しで用意する品物
正式な形式で結納返しを行う場合は、女性側から【結納品】のお返しをします。「同数程度を返す関東」と「ほとんど返さない関西」では、準備するものが異なるので注意が必要です。
【関東式】結納返しの品物
関東の場合は、両家が同格という考え方があります。そのため、準備する結納品も男性側の結納品と同等のものを準備するのが正式とされています。
- 目録
結納品の品目を記した納品書のようなもの - 熨斗(のし)
もともとは干したアワビを長く伸ばしたもの
長寿の象徴とされる - 御袴料(おんはかまりょう)
男性側に贈る結納金(お金)
男性側の結納金の半額が目安 - 子生婦(こんぶ)
成長が早く繁殖力が強いという昆布の特性から「子孫繁栄」を願った縁起物 - 寿留女(するめ)
かめばかむほど味が出る夫婦という意味があり、久しい幸せを願った縁起物 - 友白髪(ともしらが)
「共に白髪になるまで長く添い遂げよう」という意味のある白い麻布 - 末広(すえひろ)
「純潔」「潔白」という意味を持つ白い2本の扇子を1対にしたもの
福を招き、末広がりな幸せを願った縁起物 - 勝男武士(かつおぶし)
鰹節のこと。たくましい男性の象徴 - 家内喜多留(やなぎたる)
かつて結納の際、樽酒でもてなしたことに由来している酒代や金品
【関西式】結納返しの品物
関西以西では迎え入れる側の方が格上であるという考え方から、女性側が準備する品物は関東よりも控えめになります。- 目録
- 熨斗(のし)
- 御袴料(おんはかまりょう)
結納金の1~2割程度の金額
用意しない場合もある - 末広(すえひろ)
- 肴料(さかなりょう)
食事代となるお金 - 酒料(さけりょう)
酒代となるお金
略式の結納返しの品物
最近では略式の結納も多くなってきています。結納品は、正式に行う場合と同じ物を揃えても、省略してもOK。
省略する場合は、以下の3点を準備することが多いようです。
- 熨斗
- 末広
- 御袴料
関東式にするのか、関西式にするのか、それとも略式にするのか。
家や地域の考え方や習慣によって大きく左右されるのが結納返し。
まずはしっかりとお互いの家の意見を聞いて、お互いが納得できる形で行うことが大切です。
結納で使う結納品について詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェック!
婚約記念品のお返しは何を贈る?
結納では、男性側から婚約記念品を贈ります。このお返しとして、女性からも婚約記念品(返礼品)を贈ることが多いよう。
近年はこの婚約記念品の交換だけで結納を済ませてしまう場合もあるようです。
皆さんが結納返しの際にどんなものを選んで贈っているのか、気になりますよね。
婚約記念品のNG例
- 結納金、結納品と同様で、相手側よりも豪華なものを贈ってしまうのはNG!
- 婚約の記念になるものなので、消耗品を贈るのはNG!
時計・財布などのファッション小物
男性側から贈られる結婚記念品と言えば指輪を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そのお返しとして贈るものなので、普段身に着けて使えるものを……と考える方も多いようです。
最も人気のある記念品は、どんな場面でも使い続けられる時計。
財布やネクタイピンなどの小物も長く使ってもらえるものなので、よく記念品に選ばれています。
スーツ・バッグなど仕事で使えるもの
男性にお返しする結納金(御袴料)は、かつては袴を仕立てる代金として贈っていました。
その由来から、男性へお返しする記念品にスーツを仕立てるということも多いそうです。
また、毎日のビジネスシーンで活用する機会の多い鞄も人気の贈り物として選ばれています。
家電・家具など新生活で使えるもの
夫婦が新生活で共有して使う家電や家具も、婚約記念品のお返しとして人気。
一緒にお店に足を運んで、男性側が気に入ったデザインのものを購入するのもアリ◎
相手が欲しがっていたパソコンや一眼レフを購入した、という声もありますよ。
結納返しを行うタイミング
本来「男性側が結納品を贈る日」と「結納返しを行う日」は別日なのが一般的でした。しかし、形式の簡略化に伴い、現在では結納の際に結納品と同時交換するのが主流になっています。
両親が共働きの方も増えているので、日を改めてお返しをするにもスケジュール調整が困難であるという事情もありますね。
そこで大切になってくるのが、結納品や結納金の格を間違えないための、事前の確認。
「準備している結納品の格が高過ぎた!」
「思ったより御袴料が少なすぎた!」
結納の当日、こんなことになってしまったら大変です。
どの程度の結納品・結納金を準備しているのか、相手に確認しておきましょう。
こんなタイミングで結納返しをするパターンも
日を改めて結納返しを行う場合、新居への入居のタイミングで渡すこともあります。
嫁入り道具などを新居に運び入れる際に、一緒に結納返しを持って行ったという花嫁さんもいるよう。
日を改めて結納返しを行う場合、新居への入居のタイミングで渡すこともあります。
嫁入り道具などを新居に運び入れる際に、一緒に結納返しを持って行ったという花嫁さんもいるよう。
結納返しQ&A
結納返しの、「これってどうしたら良いんだろう?」そんなちょっとした素朴な疑問にお答えします。
Q.ご祝儀袋はどんなものを選んだらいい?
ご祝儀袋にも決まった形が存在します。当日御袴料を渡す際に恥ずかしい思いをしなくても良いように、しっかりと基本を押さえておきましょう。
- 水引の上に「御袴料」または「寿」
- 水引は「淡路結び」のものを選ぶ
- 水引の下に名字を書く
- 包み紙は男性側が赤を基調にするのに対して、緑や青を基調にするのが望ましい
(色は地域差があるので、必ず両親に確認を取るようにしましょう)
※文字は濃い墨ではっきりと書くようにしましょう
Q.結納返しの包み方は?
こちらが正式な包み方です。お札は新札を用意することも忘れずに!
- 中袋の表面に旧字体(訂正ができない字体)で金額を記載
- 中袋を開き、お札に描かれた顔が上を向くようにお札を入れる
- 中袋を折り目に沿って折りたたみ、裏にきた角を糊付けして「封」または「寿」と書く
- 中袋の金額が書かれている面とご祝儀袋の表面を合わせるようにして、外袋の中に中袋を入れる
Q.結納返しはいらないと言われたらどうすればいい?
関西式や家の風習によっては、相手側から「結納返しはいらない」と言われることもあると思います。そういった時は、無理に返してしまうとわだかまりが残ってしまうこともあります。
ちょっとした手土産などを用意して、感謝を伝えるようにすると印象がアップしますよ。
また、簡略化した結納では、そもそもの結納金の金額を【あえて結納返し分の半額を差し引いた金額】で渡してくれることもあります。
(例)結納金100万円のところ、結納返し分を差し引いて最初から50万円だけ贈る
この場合は既にお返しが完了しているとみなし、快く頂戴しておくのがgoodです♪
Q.結納返しをする時の服装は?
結納返しの当日にする場合は、結納の形式によって決まります。正式結納では正礼装、略式結納では準礼装や略礼装が一般的。
結納をどの「格」に合わせるのかは両家で話し合い、両家で同じ「格」の服装で臨むようにしましょう。
結納返しを後日改めて行う場合も、結納の時と同等の服装で行うのが望ましいとされています。
正礼装の場合
正礼装の場合、男性側は五つ紋付羽織や袴、女性側は振袖が格に相応しい装いとなります。準礼装や略礼装の場合
準礼装や略礼装の場合、男性側はブラックスーツやダークスーツでOK。女性はお祝い事にふさわしい明るめな色のワンピースなどにしましょう。
和装の場合は、振袖や訪問着が一般的です。
ノースリーブのワンピースでもジャケットをONすればフォーマル感アップ。
控えめながら飾りのついているパールネックレスが華やかなポイントにもなってくれています。
略礼装で合わせる時には、着物よりも動きやすいワンピース+ジャケットの組み合わせがオススメです。
上のワンピースは、こちらのサイトでレンタルすることができます。
結納返しに相応しい服装をもっと知りたい方は、こちらの記事をチェック!
結納返しにお礼の気持ちを込めて
両家のより良い関係を築こう
結納返しはあくまでも男性側からいただいた結納品に対するお礼。決まった形はありますが、やはりそこにお礼の気持ちが込められていることが重要です。
決められた形式の中で、気持ちの伝わるお返しを。
この記事を読んでいる方が不安なく結納返しをこなして、両家のより良い関係が築いていけますように。