厳かな雰囲気の中で執り行わるお式にマナーは付き物です。
特に気を付けたいのは肌の露出。
羽織りものを用意したり、着丈が長めのドレス選びをするなど格式高い挙式に見合ったコーディネートを心掛けたいですね。
また「あまり派手なカラーは選ばない方が良さそう」と思いがちですが、実は喪を連想させるオールブラックスタイルはNG。
お祝いごとですから、華やかさはきちんとプラスしましょう。
淡い色味のあるドレスやブラックコーデの中にアクセントを入れて不快感のないスタイル作りを。
今回は会場別にお勧めのコーディネートと合わせ、おさえておきたいポイントやマナーなどをご紹介していきたいと思います。

監修 小山 絵実(コヤマ エミ)
経歴
準ミスインターナショナル日本代表(2004年度)
ミスアース日本代表(2005年度)
女性起業家大賞最優秀賞 受賞(2019年)
日本化粧品検定1級 保有
現在
株式会社ミスコンシャス 代表取締役社長(2012年~)
業界最大級のインターネット専門レンタルドレスショップ「おしゃれコンシャス」を運営しています。
ファッションモデルやアパレルバイヤーの経験もあり、おしゃれコンシャスでは主に商品の仕入れを担当。
TV、新聞をはじめとする100を超えるメディアに出演しています。
長年の経験と培った専門知識をもとに、信頼できるマナー・ファッション・美の情報をお届けします。
CONTENTS
「見に行くだけ」も要注意!

それ以外にも子どもが預けられない、妊娠中などの理由で「二次会にのみ出席」なんて方も多いはず。
友人の晴れ姿を一目見たい!と思うのはもちろん、
お祝いに駆け付ける方が多いほどステイタスが高く、ご両家からもとても喜ばれるとされています。
ただ「見に行くだけ」だからと、デニムやスウェット、ニットなどのカジュアルな服装は要注意!
新郎新婦のこだわりある挙式、品格を落とさないように心掛けたいものです。
男性ならせめてシャツ、女性はワンピースなどを着用していきましょう。
正装は相手への敬意やお祝いの気持ちを表すもの。
見に行くだけなのに気張り過ぎ?と感じても、カジュアルよりは断然◎です。
教会式(教会での結婚式)
誰もが1度は夢見る憧れの教会式はウエディングスタイルの定番中の定番。ご親族から友人まで、大勢招待できるとあって華やかなウエディングシーンが人気の理由です。
とはいえ、「教会式にもいろいろある」ってご存知でしたか?
ホテルや結婚式場のチャペルで行うキリスト風の挙式と、宗教的な儀式、
つまり信者の方のみが行える教会式とがあるんです。
後者はカトリック教派と呼ばれ、より厳粛で独特の雰囲気を感じる教会式が執り行われます。
マナーにはより気を配って参列すると安心ですね。
【友人】教会での服装
友人として参列する場合は、親族ほどかしこまった服装でなくても大丈夫ですが、やはりマナー面ときちんと感は重視したいところ。ドレスカラーの決まりは特にないですが、派手過ぎるカラーは×。
服装のポイントとしては“ひかえめ”を意識しましょう。
ドレスカラーがブラック、ネイビーの場合は、羽織物をベージュなどの明るいカラーで華やかさをプラスすると◎
カラードレスを着用したい場合はパステルカラーなど淡いカラーを選ぶと落ち着いていて、派手過ぎず良いですよ。
露出はなるべく控えたほうがいいので、袖なしドレスの場合はボレロかジャケットを羽織りましょう。
【親族】教会での服装
主に、正礼装が基本となります。父親の場合はモーニングコート、母親の場合は黒留袖かフォーマルドレスが一般的。
教会にもよりますが、和装、洋装どちらでも構いません。
両家で服装の格式を統一し、並んだ時のことを意識して和装か洋装で揃えている場合が多く、事前に相談して服装を決めておくと良いです。
母親の服装~和装・黒留袖~

最も格式が高いとされる黒留袖。
黒留袖は代々受け継がれているものなど自前で用意したり、新郎新婦と共に両家で相談しながら衣装合わせをする時間を作り、レンタルする場合もあります。
母親の服装~洋装・フォーマルドレス~
最近では洋装も一般的になってきています。洋装の場合、黒、または紺の露出の少ないロング丈のドレスを着用しましょう。
父親の服装~モーニングコート~

新郎、新婦さんの衣装と一緒にレンタルしている場合が多く、ネクタイなどでコーディネートを変えてみるのも良いですね。
夜の時間帯の挙式の場合は燕尾服となりますので注意しましょう。
兄弟・姉妹の服装
兄弟・姉妹としての参列の場合、両親よりも控えめな準礼装が基本となります。男女とも、学生の場合は制服を着用することが多いようです。
【男性(兄弟)の場合】
ブラックスーツ、ダークスーツが一般的です。

和装は新郎と見間違えてしまうため、洋装での出席が一般的です。
スーツの色に合わせて、ネクタイのデザインを選びコーディネートするのも素敵ですね。【女性(姉妹)の場合】
洋装ならフォーマルワンピース、カクテルドレス。
ネイビーやブラック、ベージュなど落ち着いたカラーで膝下丈のドレスを。
きちんと感を意識したドレス選びをしましょう。
和装なら振袖(未婚者)、色留袖(20~30代前半の既婚者)となります。
押さえておきたい教会式「ならではの」ポイント
教会式ならではのルールやマナーがあります。当日恥ずかしい思いをしないためにもポイントをおさえておきましょう。
ご祝儀って同じでいいの?
日本の習慣ともいえるご祝儀。「キリスト教信者へのお祝いなのに、日本式の祝儀で大丈夫なの?」と気になる方もいるかもしれません。
答えは「大丈夫!」
日本で行われる教会式であれば、ご祝儀も通常と同じと考えて問題ないようです。
バージンロードは踏まない!
バージンロードは新婦のためのモノ。お式も終わり、さぁ退場!といったときまで、きちんと忘れずにいてくださいね。
特にカトリック教派は戒律が厳しいといわれており、注意が必要です。
終わった安心感でフッと力が抜けてバージンロードから退場しようとしてしまった、なんて話も。
参列者が多いほど入退場に時間も掛かってしまいますが、指示に従って順番に退場することを心掛けましょう。
神前式(神社での結婚式)・仏前式(寺院での結婚式)

日本の伝統を感じられ、身も心も清らかな気分を味わえることで静かな人気の通称「和婚」
市川海老蔵さん・小林麻央さん夫妻など有名人の仏前挙式も話題になりましたよね。
神前式や仏前式といえば、
「どんな服装が相応しいの?」
「洋装ならブラックフォーマル??」
などの心配事が聞こえてきます。
神社やお寺と聞くだけでどうしても堅苦しい雰囲気が付きもの。
とはいえ、地味にする必要はなく通常の挙式と同じと捉えれば大丈夫ですよ。
厳粛なお式だから「色味の強いものや装飾の激しいもの」は避けたいところですが、華やかさもお忘れなく。
また、一着あれば冠婚葬祭に対応できると重宝されているブラックフォーマル。
お祝いのシーンにはコサージュなどで華やかさをプラスするスタイルが定番ですが、
仏前式の場合は注意が必要です。
仏前に造花を供えるのはよくないとされており、コサージュの使用が好ましくないと感じる方も。
着回しも大切なワードのひとつですが、せっかくの機会だからこそこだわりの一着をチョイスして。
控えめカラーでも素材やデザインで華を添えてくれるお勧めのドレスをご紹介します。
【友人】神前式・仏前式での服装
マナー面、雰囲気を考慮したネイビーやブラックカラーがおすすめです。肩が出ないようにボレロやジャケットを羽織って露出は控えましょう。
振袖や訪問着の和装でももちろんOK。
派手になり過ぎない、落ち着いた色合いや柄のものが良いですよ。
【友人】和装の場合は?男性の服装は?
神前式や仏前式では、女性の友人の方も雰囲気に合わせて和装する方も多くいます。
未婚、既婚問わず着用できる訪問着がおすすめですよ。
男性の場合、和装は少なく、ダークスーツやブラックスーツなどの洋装が多いです。
もちろん和装でも構いませんが、新郎または両家の父親より控えめの服装にしましょう。
神前式や仏前式では、女性の友人の方も雰囲気に合わせて和装する方も多くいます。
未婚、既婚問わず着用できる訪問着がおすすめですよ。
男性の場合、和装は少なく、ダークスーツやブラックスーツなどの洋装が多いです。
もちろん和装でも構いませんが、新郎または両家の父親より控えめの服装にしましょう。
【親族】神前式・仏前式での服装
和装の場合、父親は紋付羽織袴、母親は黒留袖。洋装の場合は、教会式と同様モーニングコート、ロング丈のフォーマルドレスとなります。
事前に、両家で服装の相談をしておくといいですよ。
兄弟・姉妹は、両親が正装の場合は準礼装といったように、両親より控えめな服装が良いでしょう。
男性なら黒のスーツ、白シャツ、ネクタイ。
女性なら袖のあるドレス、ノースリーブのドレスの場合はボレロやジャケットを羽織って、露出を控えた服装にしましょう。
両親は正礼装、兄弟・姉妹は準礼装という点では教会式での服装と同様。
【親族】教会での服装 も参考にしてくださいね♪
押さえておきたい神前式「ならではの」ポイント

神前式にもルールやマナーに加え、知っておきたい所作があります。
事前に知っておけば安心して当日を迎えられますね♪
ピンヒール
神前式の特徴的な儀式のひとつに「参進の儀」と呼ばれるものがあります。神職や巫女を先頭に、新郎新婦と親族が列になって歩いて入場する儀式。
雅楽の演奏が幻想的で荘厳な雰囲気を感じられるシーンに、
ピンヒールのカツカツとした足音が悪目立ちする可能性があります。
また砂利道や段差の多い神社を歩くのにはやや不向き。
神前式には、おしゃれ+身のこなしがしやすいミドルヒールがお勧めです。
遅刻厳禁
当たり前のことですが、遅刻はNG!特に神前式では神聖な所作が多いため、途中からの参加が出来ず入場すら出来ないことも。
時間にはしっかりと余裕を持っておきましょう。
神前式の基本的な所作をおさらい!
手水の儀(ちょうずのぎ)神社によっては入場の際、手や口を清める儀式があるそうです。
玉串奉奠(たまぐしほうてん)
参加者も起立して二拝二拍手一拝をする場面があります。
【二拝二拍手一拝】とは?
2回お辞儀→2回拍手→1回お辞儀
(2回目のお辞儀は1回目より深くするそうですよ!)
ホテルウエディングなどとは違い、ロッカーや荷物を置いておくスペースが無いことも。
手荷物は最小限にまとめておくと良いですね。
また、所作の多い神前式。
聞き慣れない言葉や習慣に戸惑ってしまいがちですが、どのお式においても事前に進行の説明があるのでご心配なく。
和婚ブームでHPを開設している神社が増えてきているようです。
事前にチェックしておくのも◎
押さえておきたい仏前式「ならではの」ポイント
仏前式には必要な持ち物も。ドレスの選び方も、ひと工夫すれば1日快適に過ごすことが出来ますよ。
数珠
数珠というと、お葬式のイメージですが実は仏前式で数珠が必要なケースも。招待状に記載してある場合がほとんどのようですが、心配ならばしっかりと確認を!
匂いに注意
堂内ではお香を焚いており、厳粛な雰囲気を一層感じられます。匂いの強い香水やコロンを使用することで、その香りが混ざり合い不快な匂いに感じることも。
些細な気配りがより品格を高めます。
プラス1)正座にも耐えられる!?着丈長めのふんわりスカートドレスがオススメ!
畳に座布団が一般的な仏前式。
挙式後のパーティや二次会のことまで先読みして、シワになりにくい素材を選ぶのが賢いレディ。
またスカート丈の短いドレスは座っている間、ずっと気にしていなくてはいけません。
式の時間は30分前後、といっても慣れない正座は苦痛・・・
着丈長めのふんわりスカートなら、ちょっとは正座に耐えられるかも?!
格式高いお式に共通する注意点

格式高い式では、ルールやマナーが厳しいところも少なくありません。
式の雰囲気を壊さないことが大前提ですので、注意点をしっかりチェックしておきましょう。
写真撮影
全ての場において共通する注意点が写真撮影。「神聖な場所では気軽に写真撮影をしてはいけない」という考えも。
気を配った行動ができると良いですね。
ストッキング
特に神社・寺院での挙式で気を付けたいのが「ストッキング」の着用。近年のパーティスタイルでは許容範囲も広がり素足も良しとされていますが、
神前式・仏前式では靴を脱いで上がることも。
恥ずかしい思いをしないように必ずストッキングを着用しましょう。
もしも!のために予備が1つあるとベスト。
ファーの着用
「殺生をイメージさせる」ことでNGのファーも許容範囲が広がりつつあるアイテムの1つですが、格式高いお式では着用しない方が無難。
袱紗の使用
格式高い挙式の際には必ず袱紗を使用しましょう。袱紗の使用には、きちんと意味があることをご存知ですか?
そもそもは心遣いから用いられるようになったもの。
喜びを共にする、といった意味もあるようです。
さりげない気遣いが素敵なレディへの近道ですよ!
ルールやマナーをおさえて素敵なドレスアップを♪
結婚式という日はこれから両家のお付き合いが始まる大切な日。新郎新婦のこれまでの人となりを、友人や親族の雰囲気で感じることがあるかもしれません。
新郎新婦の顔を立てるためにも、心遣いのあるスタイルを。
格式高い挙式の場合は挙式後の1・5次会や2次会でおしゃれを楽しむのもひとつです。
そのほか、最低限のマナーとして「携帯電話の使用」「私語に気を付ける」など厳粛な雰囲気だからこそ、
大人としてのマナーが試される時!
あまり無い機会、厳かな雰囲気だからこそ味わえる感動をしっかりと感じ、
夫婦の誓いの場を見守る証人として相応しいコーディネートで臨みましょう。